※思いっきりネタバレしております。これからライブへ行かれる方はご注意!▽
 
山下達郎
<Performance 2002 RCA/AIR Years Speial>
2002/3/29(金) 鹿児島市民文化ホール 第1
開場 18:00 開演18:30<全席指定¥7,500>

 
セットリスト:曲目/収録アルバム
M01:SPARKLE/FOR YOU
M02:LOVE SPACE/SPACY
M03:ついておいで/GO AHEAD!
M04:WINDY LADY/CIRCUS TOWN
M05:(*仰げば尊し)〜あまく危険な香り/FOR YOU
M06:RAINY DAY/RIDE ON TIME
M07:PAPER DOLL/IT'S A POPPIN' TIME:GO AHEAD!
M08:CANDY/SPACY
M09:Solid Slider/SPACY:IT'S A POPPIN' TIME
M10:MUSIC BOOK/FOR YOU
M11:言えなかった言葉を/SPACY
M12:2000トンの雨/GO AHEAD!
M13:You Belong To me(ア・カペラ)/ON THE STREET CORNER 1
M14:Blue Velvet(ア・カペラ)/ON THE STREET CORNER 1
M15:ANGEL(ア・カペラ)/ON THE STREET CORNER 3
M16:いつか(SOMEDAY)/RIDE ON TIME 
M17:MONDAY BLUE/GO AHEAD!
M18:TOUCH ME LIGHTLY/MOON GLOW
M19:LOVE TALKIN'/FOR YOU
  〜BOMBER/GO AHEAD!
  〜SILENT SCREAMER/RIDE ON TIME 
M20:LET'S DANCE BABY(*シーサイド・バウンド〜ハイティーン・ブギ)
/GO AHEAD!
M21:CIRCUS TOWN/CIRCUS TOWN

=ENCORE=

EN1:LOVELAND,ISLAND/FOR YOU
EN2:RIDE ON TIME/RIDE ON TIME
EN3:愛を描いて-LET's KISS THE SUN-/MOON GLOW
EN4:YOUR EYES/FOR YOU
EN5:おやすみ(KISSING GOODNIGHT)/RIDE ON TIME 


当日は朝から雨模様。しかし開演が近づくにつれ雨は上がり、曇り空からうっすらと明るくなっていった。雨上がりというのは何だかすがすがしくてライブ前のドキドキ感がさらに増してくるようだ。
久々に市民文化ホール周辺に行って、以前あった店がコジマ電気に変っていて驚いた。少し歩いてCD屋さんを覗いたりしているうちに時間が来て会場へ行くと、ロビーにはたくさんの人。立聴券を求める人の列が2列にずらっと並んでいた。

中に入るとCDを買った方に先着で達郎さんの色紙プレゼントをやっていて『どうしようかな〜』と気になりつつも色々物販などを見ている内にあっという間にプレゼント用の色紙も無くなってしまった。やっぱり買えば良かった…と少し後悔。
 席は2階席の端っこの方。でも思っていたよりステージがよく見えた。双眼鏡のピントを合わしておく。緞帳は上がっていてセットがうっすらと見える。
ラジオで、開演前のBGMには毎回ドゥー・ワップをずっと流していると言われてたけど、何が掛かるかはお楽しみ!という事で耳を澄ましてみたが、私には分からず。どことなく懐かしく聴いた感じの曲があったけれど。


18:35 過ぎた頃コーラスが聞えてきてバックのメンバー、そして達郎さん登場。
光沢のあるダークブルー?(だったと思う)の上下スーツ、中は薄いイエローのシャツ。
まず達郎さんの第1声歌声に『おおっ、すごいっ!』と感動。なんという迫力、声量!。
小ぶりのエレキギター(テレキャスターらしい)を弾きながら唄う。ギターカッティングから始まるこの曲、生だ!嬉しいな〜。後で1回ほど、他のギターに持ち変えていたと思う。
以前ライブに行った事がある人から『CDと同じ声でライブがすごい』と聞いていたが本当にその通りだった。
サポートメンバーも豪華。バックの音量、迫力、音の厚みも凄いが達郎さんの声はよく通り全然負けていない。

舞台のセットは古きアメリカの店々、達郎さんのアルバムジャケットも描いていらっしゃるイラストレーター,版画家の鈴木英人さん(空の青さがどこまでも青い、そんな作品が多くて本当に奇麗で素敵です。)のイラストを3D仕様にしたような創り。数軒の店で囲まれていて、その入り口前広場でのステージみたい。看板の至る所に今回リマスターされた7枚のタイトルとそのリリース年度もある。
中央にはアナログレコードプレイヤーのセット。トーンアームもちゃんとある。そのレコード、皿を乗せるターンテーブル部分で達郎さんが唄うのだ。
もしかしたら2階席だからこそよく見えたのかもしれない。多分1階だと分かりにくいのでは?。

♪WINDY LADY後のMC

こんばんは!鹿児島。
このツアーはいつもに比べて変ったツアーで渋い。クリスマス・イブをやらない19年ぶりのツアー。20代の頃創った7枚の再発CDを出してその中から唄うというのでこんなライブにお客さんが来てくれるか?と思って本数も少なくした。
鹿児島は23年ずっと来続けていて「COZY」から3年ぶり。

今ツアーのCDを創った20代の頃は雨が好きで雨の唄ばっかり創っていた。
今日も雨が降っていて、いい感じでライブへと行くかと思ったら晴れてきてよく分からない天気になった。
 ーというMCから♪RAINY DAY へ。ギターを置いてマイクを両手で持ち前の方に出て来て唄う。

鹿児島はドラムの青山さんがツアーに参加した初めての地だそう。最年少、それでも40代のギターの佐橋さんは昔インストアライヴ?をやっていた時、中学生の彼は自転車で聴きに来てくれていたとか。
「是非素晴しいアドリブ、インプロビゼーションをお聴き下さい」という前置きでの
♪PAPER DOLL では重実さんのキーボードと佐橋さんのギターのバトルが繰り広げられた。

「まさか21世紀にこの唄を鹿児島で唄う日がくるとは!」と言われて唄われたのは
♪SOLID SLIDER
もう1曲ぐらいこの台詞を前置きした後に唄われた曲があったけど忘れてしまった。TOUCH ME LIGHTLY?だったかな?。

高気圧ガール、アトムの子、蒼氓…いろいろライブで近年やってない曲が多く、日替りでやろうかと思ったがやめた。
 鹿児島市民文化ホールはいいホール。全国でも5本の指に入るくらい音響がいい。色々な会館に行くけれど建築家がロビーばかり立派に創って、ホールは音響が良くなかったりして、やりにくいホールもあったりする。
 ーライブ前のラジオでも音響がいいホールだと褒めてらしたので、本当にそうなのだなと嬉しかった。
そういえばスタレビでも数年前のライブ後の楽屋インタビューで、会場ア・カペラがよく付いてきていて今までで一番の出来だと褒めていて、要さんがホールのナリのせいにしちゃあいけないけど…とも褒めていたけど、あながち嘘ではなかったようで(笑)。

RCA/AIR Years時代はあまりいい思い出がない。アルバムが売れなかった。PA席の後はガラガラで、あの頃、今日みたく満員のお客さんだったら…と。
当時、同じレコード会社に在籍していたのが桑名正博さん、吉田美奈子さん、浅野ゆう子さんとか和田アキ子さん、西条秀樹さん…。
すれ違いざまに「まだいたの?」と言われた事もあり、そのスタッフの言葉は一生忘れない(笑)。でも言われても仕方ないくらい4,5枚目まで売れなかった。アルバムのジャケット写真も撮って貰えなくて、もう亡くなってしまったのだが、イラストレーターのペーター佐藤さんの所へ直接交渉に行って頼みこみ3日で描いて貰った。それがまた評判が悪く、イラストで(を見て)子供が泣いたとか。
 


一人多重ア・カペラのコーナー

昔はア・カペラといっても「なんや、それ!」と言われた。今でこそ市民権を得ているが、とTV番組の
『ハモネプ』の話をしながら 口パーカッションを少し披露。
こんなん、誰でも出来る…、とぼそっと言って早速一人ア・カペラへ。
 ♪Blue Velvet はデヴィッド・リンチ監督の映画で同タイトルで曲名が有名になった。
映画の台詞?を再現してちょっとお茶目な達郎さんを見られて何だか得した気分だ。
しっとり系なア・カペラを3曲、鳥肌物で聴かせて貰えた。

ツアーに出てやっていると、声がハイトーンよりロウトーンの方がよく出るようになる。
 ーという声の話しからカラオケ屋さんの話しへ

カラオケ屋に連れていかれ、Get Back In Loveを入れられたが、キーが低くそのまま唄ったら間抜けな曲になってしまった。女の人から「ちょっと違う」と言われ、点数も低く出てしまい挙句に『もっと創った人の気持ちになって唄いましょう』というコメントまで出てしまった。(爆笑)
通信カラオケのクリスマス・イブのコーラスとか、もうちょっと何とかならないか?というような事も言われていた。

ノリのいい曲が続きライブも佳境に。1階客席を覗きこんで見たが、立っている人はほんとパラパラで、立つのが気が引けるような数。
LET'S DANCE BABY かその前だったか?ちょっとあやふやだけど、コーラスの三谷さん、踊り過ぎて?後のパイプスチール椅子を倒してしまい、思わず「あっ」と私、言ってしまった。もしかしたら隣のコーラスの女性が倒してしまったのを三谷さんが起こしたのかもしれないけど。そんな事はどうでもいいかな。
三谷さんが楽しげによく踊いながらコーラスをしていたと言いたいだけなのかも。

♪LET'S DANCE BABY、2番の歌詞「心臓に」の後「指鉄砲」の前で、パーンという音が!いや〜びっくりした。これは後で調べて分かった事で、近くの男性がクラッカーを鳴らしていてようやく分かったという次第。話は見聞きしていたが、本当にやるんだな、と。このクラッカーはファンには定番になっているらしい。できれば近くではやってほしくないかも。心の準備があってもクラッカーにはビクつくので。(笑)

=アンコール=

赤いシャツに黒のパンツで衣裳変えして出て来た達郎さんに、何とお客さんがステージ前に出て来て次々と花束やプレゼントを渡していたのに驚いた。キーボードの難波さんもプレゼントを貰っていて人気者を実感。
スタレビでは開演前にスタッフの方に全部預けるようになっているのでこの光景はあまり見た事がなかったので驚いてしまったのだけど。
「こんなに花束を貰ったのは初めて…」と、照れたように控えめながらも結構嬉しそう。

♪LOVELAND,ISLAND のイントロで歓声が上がり客席総立ち。手拍子に合わせやっぱりこの曲では最高に盛り上がっていた。ドラム、ベース、ツインキーボード、ギター、サックス、コーラス、それぞれが素晴しく、メンバー紹介も何度となくされていたように思う。サポートメンバーで最年長、サックスの土岐さんという方も長い付き合いで、すごい方で本当はこういう所に出てくれるような方ではないが、でもおいしい所はいつも持っていかれてしまう。

♪RIDE ON TIME では達郎さん、ステージ後方へ移動し何が始まるのかと思ったら梯子付きの四つ足脚立が登場。その上に立ち上がり、マイクオフの生声で唄ってくれた。
これもすごかった。すごいとしか言えない自分が情けないが他に出てこない。(笑)

♪LET's KISS THE SUN ではコーラスの女性二人が楽しそうにイントロでリズムにのって変則的に飛んでいた。この曲は変則手拍子で、お客さんもまた楽しそうにリズムにのって跳ねていたりして楽しかった。
メンバー全員が前に出てきてお辞儀をし袖に引っ込んだ後、達郎さんは残ってキーボードの位置へ移動。

♪YOUR EYES だったかな?サックスの土岐さんが、いい音色で達郎さんのキーボードに絡んでいて艶っぽさを醸し出していた。
ラストは達郎さん一人でキーボードを弾き語りし「おやすみ」で締めた。
連れが、せかすのでよく聴けなかったけど終演後は達郎さんの曲が流れていた。



時間にして約3時間半。アンコールまで座りっぱなしだったので、立聴の方は結構辛かったかも。年齢層も幅広く、しかしながら全体的には落ち着いていました。
照明は全般通して派手さはないけど、あくまでセットを際立たせるようなネオンとか細かく変っていました。
季節的に「仰げば尊し」や「シーサイド・バウンド」マッチに提供した「ハイティーン・ブギ」なども少しだけど曲に取り入れて唄ってくれて、そのあたりも楽しめました。
スタレビと似ているなと思うのが1曲を引っぱる、引っぱる、当然長い(笑)。でもそれは随所でサポートの方のソロを際立たせるシーンでもあり、十分堪能できました。
余談ですが、サポートの難波さんもスタレビの楽曲アレンジをやった事がある方だし、佐橋さんは今回はエレキギターだったけど、「My Love」でアコースティックギターを弾いてくれた方。
コーラスの三谷さんは言わずと知れたスタレビの初代元キーボーディスト。という訳で何かしら関わりがある気もして親近感も少し感じながらライブを見ました。
 初めて聴く一人ア・カペラもラジオで予告されていた通りやってくれて、これももうド迫力、流石です。
「エリック・クラプトンのように演奏だけして黙ってカッコよくライブやれればいいけど…」なんて言われていたけど、達郎さんて落語が好きでご自分も落研出身らしく、話も面白くトツトツとした例の口調で人を引き付けていました。
「このツアーは、時間とかもなくて神奈川でのライブも今回入らなかったけど、でも鹿児島では2日間やります。他に2日間やるアーティストはいないんだとか」とも言われてました。確かに長渕さんとかB'z、ユーミン、そのくらいでしょうか。
サポートメンバー9人(音楽業界では珍しくみんな仲が良いのだとか)で最近リリースされたNelson Super ProjectのCDもちゃんと宣伝してくれて達郎さん、優しいですね。
1曲唄い終え、熱い歓声や拍手を受けて「昨日のお客さんも良かったけど今日もいい。かなり快感です」と言われていたのも印象的でした。
私としてはもしかして聴けるかもと思っていたもっぱら隠れた名曲と評判の「潮騒」を聴きたかったです。
セットリストはパンフレットやいろんなサイトで参考にさせて頂きましたが、かなり怪しい部分?があり間違いがあるかもしれません。ご指摘下されば嬉しいです。
最後にまた行きたい!と思いました。順調にいけば来年50歳にもなる事だし、ニューアルバムを創ってまたツアーをしたいと言われてましたので楽しみに待ちたいです。
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